HOME > KGO 全日本韓国語通訳案内士会 > 日本のこころを訳し、語る①平家物語 韓国語(翻訳と発想のヒント)

2020/4/23 木曜日 3:04 PM

①狛犬 신사 앞에 있는 한 쌍의 해태상
해태は、韓国の王宮や、日本なら横浜・鶴見のコリア庭園の入口でもよく見られる。
②筆、墨、硯 붓 목 벼루
③荒々しさ 용맹함 
※거칠함はネガティブに聞こえる。「荒々しい侍」のような文脈ならばポジティブな「勇猛」。
④石段 돌계단
※×석단
⑤敵ながらあっぱれ 그가 우리 편이였으면 좋았을 텐데
※相手が敵であることを悔しがり、見方であればよかったとする仮定法も可。
⑥興ざめだ 흥이(분위기가) 깨진다
 ※興が「さめる」のではなく「壊れる」
⑦殺すに忍びない 차마 죽일 수 없다
※어떻게 죽일 수 있나?※「どうして殺されようか?」と反語でするのも手。
⑧遊び心あふれる(平家) 여유있게 굴다
 ※遊び心→余裕ある態度と考える
⑨地域の功労者 그 지역의 공노자/은인
 ※「恩人」という表現は相手をより高め、感謝の度合いが強い。
⑩倭寇 왜구/해적
 ※「寇」の発音に注意
⑪霊験あらたかな山 신령스러운 산
 ※신령스러운とは、土着の神聖さを表す。キリスト教的神聖さは신성함
⑫奇想天外な建築 기상 천외한 /전무후무한 건축 /상상도 못할 건축
※直訳でもよいが、宮島のような後にも先にもないものなら전무후무한もぴったり。
⑬廃仏毀釈 명치시대의 불교 탄압/배척
 ※「弾圧」または「排斥」。朝鮮半島では李朝(조선시대)に仏教弾圧が猛威を振るった。
⑭大人の事情 본인도 모르는 사이에 /남몰레
 ※安徳天皇(子ども)が知らない、という場合、直訳も可だが、「本人の知らぬ間に」とするのも可。
⑮武士の情け 인심 /약자에 대한 동정심 /측은지심
 ※儒教的には「仁の心」。または、弱者に対する同情心。また、「孟子」にある「惻隠の心」というのも時代劇がかっているけれど武士らしい。
⑯野生の勘を取り戻す 동물적인 직감/제육감을 되돌다
※動物的直観、または第六感。
翻訳
①世の無常を痛切に感じた直実は、戦が終わると浄土宗を開いた法然の下で出家し、敵が極楽浄土へ往生できるよう供養し続けて生涯を終えたという。
※浄土宗を開いた法然 정토종의 창시자인 법연대사
僧侶の名前は漢字語+「大師」とすることもよくある。
※往生できるよう供養し続ける 왕생할 수 있도록 계속해서 불공드린다.
「往生」とは極楽に行って生まれ変わることなので、극락정토에 가서 다시 태어난다 も可。「供養する」の直訳공양한다でもよいが、先祖に対して食事をお供えするイメージ。出家して慰霊するのならば 불공드린다のほうがイメージ的に近い。

②「平家物語」は無念を抱いて亡くなった人が安らかに往生できるよう祈る「鎮魂の文学」である。

※無念を抱いて亡くなった人 無念は一般的には억울함だが、원한을 풀지 못한 체 죽은 사람というように、「恨」で表現するとより韓国語っぽい。同じように「鎮魂の文学」も진혼 문학よりも、 “한풀이의 문학” のほうがパンソリっぽくてピンとくるだろう。

③穏やかな瀬戸内海の平氏と対照的なのが、坂東の沼地を必死で開墾してきた武骨な源氏なのだ。
※対照 대조 対象 대상 対称 대칭 の違いに要注意。
※坂東の沼地 관동지방의 습지 늡は干拓の対象。開墾するなら습지。武骨な 무뚝뚝한
※源氏と平氏は미나모토 일족과 다이라 일족 で通したほうが無難。

④この町の最大の見どころが大和ミュージアムであることもうなずける。
※うなずける 납득이 간다/이해가 간다/ 수긍된다.

⑤満洲国国務総理大臣の揮毫した扁額
※揮毫した 휘호한(쓰쓰로 쓴)   扁額 편액

⑥馬にまたがって刀剣弓矢を持ち、敵を倒す、荒々しさを体現した東国武士の義経が都じゅうの人気者になるというのは、美意識の180°の転換だった。
※刀剣弓矢を持ち敵を倒す 검이나 화살으 손에 들고 적을 쫓아낸
 都中の人気者になる 도읍(교도)에서 인기를 끄렸다

⑦農山村や海辺に暮らす武士にとっては、自分たちをとりまく自然はいかに共存・利用して、農業や商工業で暮らしを支えるかという恐ろしくも頼もしい存在だった。
※自分たちを取り巻く自然 자기들을 애워싸는 자연
※恐ろしくも頼もしい存在 무섭기도 하고 도움이 되는 존재
※共存・利用する 공생하여 은혜를 받는다
※暮らしを支える 살림을 살아가다

⑧京風の貴族文化にどっぷりと漬かりきった仲間たちに、瀬戸内の海の男たちとしてのルーツを思い出させ、胆力や野生の勘を取り戻させることが福原遷都の目的だった。
※どっぷりと漬かりきった仲間たち 완전히 빠져버린 친구들에게
※ルーツ 정체성 
※胆力 배짱/담력
※通訳の場合、最後までメモが取れなければ 후쿠하라에 천도시킨 목적은 から始めるのも一手。

通訳
①字を知らない大衆は、琵琶法師から「源平」を学んできた。「平家物語」は声に出して読んでこそ味があり、よくわかる。」と言うが、それもこの作品が琵琶法師による「口承文学」だったことに由来する。
※琵琶法師 비파를 타면서 판소리를 외치는 스님 
※声に出して読む 낭독해야 
※口承文学 구전문학

②作者不詳の「平家物語」は史実に多少基づいたフィクションであり、キャラ設定がはっきりしている。源義経、那須与一など、「キャラが立つ」人物が少なくない。
※作者不詳 작자 미상 
※史実に多少基づいたフィクション 역사에 어느정도 의거한 픽션 
※キャラ設定がはっきりしている 등장인물의 개성이 확립되어 있다.  
※キャラが立つ人物 “개성적인/눈에 띈” 영웅

③源平合戦において瀬戸内海というホームグラウンドで戦える平氏には「地の利」はあったが敗れた。そこで「平氏が源氏に敗れたのは、行いが悪かったからだ。」という考えが広まった。
ホームグラウンド 자기들의 지반 
地の利はあったが敗れた。 지리적으로 유리했지만 패배했다.
行いが悪かったからだという考えが広まった “하늘이 다 보고/알고 있다” 는 생각이 보급되었다/널리 퍼졌다.のように、「お天道様がお見通し」と超訳可能。

④平家は船を操り瀬戸内海を自由自在に駆け巡る「海の民」だった。海の男たちにとっての価値は、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた際の度胸と判断力だ。
※海の男たちにとっての価値は、 그들에게 있어서 가치가 있는 것은「価値があるのは」のようにする。
※生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされる 생사고비를 넘긴다

⑤貴族にとって遠き先進国唐の学問や詩文は身につけるべき憧れであった。一方、武士にとっては遠い国の学問よりも、目の前の農業や商工業に関する実利的な知恵のほうが意義深かった。
※唐 당나라 身に着けるべき憧れ 꼭 배워야 한 동경의 대상(대상を忘れずに)
※実利的な知恵のほうが意義深かった 실용적인 지식이야 말로 더 의미가 있었다.

スピーチ編 ヒント
A①鳥居 ※홍살문 を引き合いに出す。
B②国風文化 당나라문화를 기초로 발달된 일본 고유의 문화
 ③瀬戸内海 다도해を引き合いに出す。
C②三種の神器 곡옥,도검,거울について言及

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