HOME > KGO 全日本韓国語通訳案内士会 > 日本のこころを訳し、語る①平家物語 中国語訳のヒント

2020/4/23 木曜日 3:46 PM

①狛犬 摆放在神社或寺庙前的一对石狮子

②筆、墨、硯 笔墨纸砚のように、中国語では和紙も入れて文房四宝という。

③荒々しさ 粗暴/野

④石段 石阶 用石块堆积的台阶

⑤敵ながらあっぱれ 
出色的敌人・优秀的敌人 という普通の訳よりも、这么优秀的人物属敌方とすることで相手を讃えたり,真可惜/愿他属于我们这边 というように反語にするほうが効果的。

⑥興ざめだ 情趣索然

⑦殺すに忍びない 怎么能杀他?これも反語が効果的。

⑧遊び心あふれる平家 遊び心
→游刃有余(刀を遊びで振り回す)本気でやらずに楽しむ比喩
⑨地域の功労者 当地的有功之臣が普通だが、该地区的发展都归功于他としてもよい。 
⑩倭寇 明朝时袭击中国沿海地区的海盗
 中国語で「倭寇」とは戦時中の侵略者の蔑称なので使い方に注意。
⑪霊験あらたかな山 灵峰 仙境

⑫奇想天外な建築 异想天开的建筑
 ※「奇想天外」はそのままでは使えない。
⑬廃仏毀釈 十九世纪打倒/打压佛教势力的风潮 
 ※中国では文革期がそれに近い。
⑭大人の事情 幕后的事情
 ※「大人」「成人」は不要
⑮武士の情け 恻隐之心
※「孟子」の名言。
⑯野生の勘を取り戻す 恢复第六感
※野生の勘→第六感
翻訳
①世の無常を痛切に感じた直実は、戦が終わると浄土宗を開いた法然の下で出家し、敵が極楽浄土へ往生できるよう供養し続けて生涯を終えたという。
※世の無常を痛切に感じる 深感诸事无常/深深地感觉得到人间无常
※浄土宗を開いた法然の下で出家する 拜在开创净土宗的法然上人门下出家为僧
(残りの)生涯を終える 他余生都在~
※敵が極楽浄土へ往生できるよう供養する 
为那些死在他手上的敌人念经诵佛,希望他们能够往生极乐世界。供養は供养より为他念经

②「平家物語」は無念を抱いて亡くなった人が安らかに往生できるよう祈る「鎮魂の文学」である。
※無念を抱いて亡くなる 含恨而终
安らかに往生する 被超度 書き言葉ではあるが「往生」そのままでも可

③穏やかな瀬戸内海の平氏と対照的なのが、坂東の沼地を必死で開墾してきた武骨な源氏なのだ。
※文章の前後が、平氏と源氏の対称性を述べているのに気づけば、风平浪静的濑户内海平氏和要开垦沼泽地的关东地区源是不同,から始め、前者为人平和,后者为人粗野とやるのも可。
※必死に開墾する 刻苦开拓/拓荒

④この町の最大の見どころが大和ミュージアムであることもうなずける。
※最大の見どころ 最值得一去。
※大和ミュージアム 大和号博物馆(通称)/吴市海事历史科学馆(正式名称)
※うなずける。 有道理的

⑤満洲国国務総理大臣の揮毫した扁額
※満洲国 伪满
※揮毫 亲笔题写的/挥笔
※扁額 匾额

⑥馬にまたがって刀剣弓矢を持ち、敵を倒す、荒々しさを体現した東国武士の義経が都じゅうの人気者になるというのは、美意識の180°の転換だった。
※馬にまたがり刀剣弓矢を持ち、敵を倒す 骑马佩刀手持弓箭冲锋陷阵
※都中の人気者になる 在京都受欢迎
※美意識の180度の転換 这意味着审美意识一百八十度大转弯/大转变。

⑦農山村や海辺に暮らす武士にとっては、自分たちをとりまく自然はいかに共存・利用して、農業や商工業で暮らしを支えるかという恐ろしくも頼もしい存在だった。
※自然はいかに共存・利用して、農業や商工業で暮らしを支える。
→最も単純な訳は他们如何能靠山吃山靠海吃海,人们要学会与大自然和谐相处
※自分たちを取り巻く自然は恐ろしくも楽しい存在だった。→围绕自己的大自然有两面性;能带来收获的同时也能带来灾害

⑧京風の貴族文化にどっぷりと漬かりきった仲間たちに、瀬戸内の海の男たちとしてのルーツを思い出させ、胆力や野生の勘を取り戻させることが福原遷都の目的だった。
※強風の貴族文化にどっぷりと漬かりきった仲間たち 被京都贵族文化所侵蚀的同伴们
※ルーツを思い出させる 让他们重新认识到自己的来源/不要忘本
※胆力や野生の勘を取り戻させる。恢复胆子和第六感
迁到福原京的目的、から始めても可。

通訳
①字を知らない大衆は、琵琶法師から「源平」を学んできた。「平家物語」は声に出して読んでこそ味があり、よくわかる、と言うが、それもこの作品が琵琶法師による「口承文学」だったことに由来する。
※字を知らない大衆 老百姓不认识字(成語を使うなら目不识丁的老百姓)
※琵琶法師 边弹琵琶边说唱故事的和尚
※声に出して読む 大声朗读出来
※口承文学 “口传文学”または 说唱的形式传颂的

②作者不詳の「平家物語」は史実に多少基づいたフィクションであり、キャラ設定がはっきりしている。源義経、那須与一など、「キャラが立つ」人物が少なくない。
※作者不詳 笔者不明/作者不详
※史実に多少基づいたフィクション 取材于历史的写实小说
※キャラ設定がはっきりしている 各个登场人物的个性很强,丰富多彩
※キャラが立つ人物 人物形象生动多姿/ 起眼的英雄

③源平合戦において瀬戸内海というホームグラウンドで戦える平氏には「地の利」はあったが敗れた。そこで「平氏が源氏に敗れたのは、行いが悪かったからだ。」という考えが広まった。
※瀬戸内海というホームグラウンドで戦える平氏 平军在很熟悉的濑户内海展开作战,
※地の利はあったが敗れた 多有地利/占了地利之势,但他们输给源军。
※「平氏が源氏に敗れたのは、行いが悪かったからだ。」という考えが広まった。→「行いが悪い」=天が見ていると考えて“天网恢恢疏而不漏(人在做天在看)”这个概念普及了。

④平家は船を操り瀬戸内海を自由自在に駆け巡る「海の民」だった。海の男たちにとっての価値は、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた際の度胸と判断力だ。
※海の男たちにとっての価値は 对海民来说最重要的是 「最」が必要
※生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた際 在生死攸关时
※度胸と判断力 胆子/胆量和判断能力。

⑤貴族にとって遠き先進国唐の学問や詩文は身につけるべき憧れであった。一方、武士にとっては遠い国の学問よりも、目の前の農業や商工業に関する実利的な知恵のほうが意義深かった。
※貴族にとって遠き先進国唐の学問や詩文は身に着けるべき憧れであった→順序を変えて对象をつける。
对于向往唐朝的贵族们来说,远道而来的盛唐学问以及诗歌是应该学好的对象/人人都要学习的
※目の前の農業や商工業に関する実利的な知恵のほうが意義深かった。
眼前的农业和工商业等实用知识更有用 「实利智慧」より「实用知识」、「意义」より「有用」
※遠い国の学問よりも 连唐朝学问都不如。

スピーチ編 のヒント
A①鳥居 简体字“开“字形状的牌坊
B②国風文化 吸收盛唐文化后发展起来的日本文化
C②三種の神器 天皇登基典礼 世世代代传承下来的 铜镜/勾玉/铜剑

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