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全国通訳案内士というお仕事

①語学を生かして仕事する!「全国通訳案内士」とは

語学を生かして仕事する!全国通訳案内士資格を持つメリットとは?

コロナ終息は訪日外国人の激増により、全国通訳案内士(以下「通訳案内士」)の需要が高まってきています。語学だけでなく日本の文化、歴史、経済など、自分の語学と知識を生かして多くの外国人に伝えることができる、とてもやりがいのある仕事です。ここでは通訳案内士資格を持つメリットについてお届けします。

 

通訳案内士とは?

「通訳案内士」は、「通訳ガイド」ともいい、訪日客にたいして旅行に関する案内を外国語で行う職業です。その業務は主に以下の通りです。

①日本紹介:観光地の紹介をはじめ日本文化や伝統を伝えること(←これが本業)

②添乗業務:旅行のスケジュール管理、宿泊先の確認、病気・ケガ・落とし物などのトラブル対応(←添乗員がいる場合は免除される)

③通訳業務:会議通訳者やビジネス通訳者(顧客がビジネス客でなければ不要)

ただし、③に関しては専門職の通訳者が中心となることも多く、通訳案内士はサービス業の一面が強い仕事になります。

通訳案内士というのは、外国人のお客様から受ける様々な質問に対し、ガイドブックやネット情報をマニュアル通りに伝えるのではなく、日本文化、歴史、政治経済など、あらゆる分野を探求し、自分で情報をまとめて相手に伝えます。よって、高い語学力はもちろん、様々な分野に関する知識が求められる職業でもあります。

また、相手の国の価値観や文化的背景の知識、相手とのコミュニケーション能力、ホスピタリティ精神などがなくては務まらない仕事といえます。

通訳案内士の種類とは

通訳案内士には、「全国通訳案内士」と「地域通訳案内士」の2種類があります。

「地域通訳案内士」というのは各地方自治体の試験を受ける必要があり、外客来訪促進計画を策定した地方自治体のみが対象となっています。

一方、全国をフィールドに活躍したい方は、難関の国家試験となっている全国通訳案内士試験を受ける必要があります。

通訳案内士の就業

通訳案内士の就業先は、主に旅行会社や派遣会社などが挙げられますが、自営業者として働いている方がほとんどです。それは「起業家」というほどはなやかではないかもしれませんが、これまでの「お得意さん企業と関係を保ちつつ、きちんと仕事をこなし、業務がなくても自己研鑽や同業者とのコミュニケーションに余念のない、実直な姿が垣間見られます。

また通訳案内士資格保有者であれば、旅行会社や代理店の総合職採用において有利になる場合は多いです。

 

通訳案内士になるための資格とは?

通訳案内士になるには、日本政府観光局から年1回実施される国家試験の通訳案内士試験に合格して資格取得する必要があります。難易度はかなりレベルが高くなっており、総合的な合格率は1割ほどです。概要は以下の通りです。

・受験者:学歴、年齢、性別、国籍は不問

・外国語、地理、歴史、一般常識(観光や日本事情)、通訳案内士の実務

・受験言語:英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10言語の中から1つを選択して受験

・一次試験:筆記、ただし地域通訳案内士やTOEIC900点、英検1級、HSK6級、TOPIK6級等の保有資格スコアや級によっては語学試験免除。

・二次面接:日本に関する外国語でのスピーチ(2分)および日本語から外国語への通訳(数十秒)

通訳案内士として働くには

通訳案内士の資格取得後は、都道府県に通訳案内士として登録します。その後、通訳案内士関連団体が実施する新人研修を受けて、知識やスキルを習得し、業界の人とのコネクションを広げたうえで通訳案内士デビューします。フリーランスで活躍したり、旅行代理店や人材派遣会社に通訳案内士登録して仕事を紹介して働いたり、働き方も自分で選べます。

より専門的な知識を身に付け、通訳案内士として個性を持つことが強みになります。語学力以外にも様々な知識を求められるので、「生涯勉強」の態度が必要とされます。

 

ポストコロナの通訳案内士は?

コロナ終息後は、これまでのリバウンドもあって訪日外国人観光客が劇的に増加すると考えられています。そこで増々必要なのが通訳案内士なのです。訪日観光客の安全な日本滞在をプロフェッショナルとして保証するために、多くの優秀な通訳案内士の活躍が期待されているのです。

また、通訳案内士は、語学系の国家資格であり、その信頼性は高く、特に旅行業界や語学系に関わる仕事をしている方は、通訳案内士の有資格者というだけで知識の幅が伝わりやすいです。さらに、旅好きな方には適職でしょう。訪日観光客のアテンドとして、仕事で様々なところに行くことができ、これは旅行好きには嬉しいポイントです。案内する前の下調べで、有名観光地に関して知らなかった知識を得たり、一般人は知り得ない穴場に巡り合えたりすることもあります。

 

通訳案内士のメリットとは?

業務オファーがきやすくなる

通訳案内士の資格有無を問わない旅行会社、個人と個人の旅行者を繋ぐプラットフォームも増加傾向にありますが、通訳案内士資格者を優遇する大手旅行会社は存在します。資格は、一定の努力、知識、語学力の保証であり、仕事を始める上で有益です。また、都道府県によっては旅行会社とのマッチングイベントも開催しており、資格保有者のイベントに参加する機会も得られます。ただし、仕事をもらい続けるには、資格はもちろん1回1回のツアーの積み重ねが大事です。

外国人ゲストからの信頼獲得

「通訳案内士法」によって、「通訳案内士」が名乗れるのは有資格者だけに限定されます。非資格者は類似する名称を名乗ることも認められません。外国人ゲストをガイドする際、「国家資格を持っていますか?」と聞かれることは稀ですが、海外エージェントから問い合わせはあります。また、ツアー前の自己紹介で資格保有と伝えることで信頼効果は高まるでしょう。

語学系国家資格として語学力の証明と、有資格者同士の交流

通訳案内士というのは、語学系で唯一の国家資格になります。TOEICや英検、中国語検定、ハングル検定などと比べると、外国語能力のみならず、外国人が関心をもつ日本事情について外国語で説明できるという点で、外国人から一目置かれる語学力をもつ証明として、通訳案内士資格を取得される方もいます。

さらに、有資格者同士はただの語学資格ではなくあの総合力を試される試験を受けた者同士ということで、会った瞬間から同業者としての親近感がわき、言語を越えて仕事の依頼に繋がったりするのはよくあることです。これは英検受験者同士でもつ親近感よりもいっそう濃密ですし、中国語検定1級の合格者と英検1級の合格者との出会いに接点は少ないでしょうが、通訳案内士試験合格者同士なら言語を越えた交流もしばしばあります。

 

まとめ

ここでは、通訳案内士資格を持つメリットについてお届けしてきましたが、いかがでしたか?通訳案内士というのは、訪日外国人を観光地へ案内するだけなく、日本の文化、伝統、魅力などを外国語で伝えるやりがいある仕事です。2018年以降は、資格を持たなくても通訳案内ができる世の中になっていますが、訪日外国人の様々なニーズに応えられるのはやはり有資格者が中心です。また、合格後は言語を越えて有資格者同士の交流もあり、ビジネスにつながりやすいです。この価値ある資格を取得して、私たちの仲間になっていただければ幸いです。

②全国通訳案内士試験の難易度と勉強法

全国通訳案内士の難易度と勉強法

全国通訳案内士になるには、全国通訳案内士試験に合格する必要があります。試験には1次(筆記試験)と2次(口述試験)があります。この試験に合格するには、語学力はもちろん日本の地理、歴史、一般常識、実務の知識も必要です。ここでは、全国通訳案内士の難易度と勉強法についてお話しします。

 

全国通訳案内士試験のはじまり

全国通訳案内士試験は、1949年から実施されている語学試験で、語学系で唯一の国家試験です。英語でいうなら英検1級、TOEIC900点で語学分野が免除されるレベルです。

しかし「外国語が得意!」というだけでは、試験に合格することはできません。そのほかにも日本の歴史、地理、文化、政治、経済、現代社会、実務方面など、全国通訳案内士の試験は範囲が広く、言語によっても異なりますが、昨今の最終合格率は1割ほどともいわれています。しかし全国通訳案内士になるには、この難関試験を突破して合格することが必須なのです。

最近は、通訳案内士志望者だけでなく、自分の外国語レベルを客観的に確かめる意味でこの試験を受験する方や、訪日外国人に「日本の姿を伝えたい」と受験決意している方もいます。さらに国家資格を持っているだけで就職や転職に有利にはたらくので、受験して資格取得できれば、今後職種の幅を生かして社会で活躍することもできます。この試験では、外国語と共に日本についても勉強できるので、まさに一石二鳥ですね。

 

全国通訳案内士の難易度

全国通訳案内士の試験は、日本政府観光局(JNTO)が実施している国家試験になります。受験できる言語には、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の計10カ国あります。全国通訳案内士の試験合格率は、年度や言語でも変わりますが、数ある様々な資格の中でも難関部類の資格です。

過去数年の全国通訳案内士の試験結果を見ると、合格率は1割ほどとなっています。コロナ禍になる前の2018年は訪日客であふれていたため、通訳案内士資格を持たずともガイディングができるように法改正をしましたが、逆に合格者は通訳案内士を必要とする富裕層やVIPなどを接遇することを前提とし、通訳案内士の合格水準が上がりました。

また、言語別に見てみると、受験者数で最も人数が多いのは英語であり、全体の半数以上を占めています。次いで中国語、その次は韓国語やフランス語、スペイン語などが並びます。

一次試験の合格基準点は以下の通りです。

外国語、地理、歴史-7割合格

一般常識、実務-6割合格

ただ、難易度によって合格判定基準が変わる可能性もあります。

 

全国通訳案内士の試験状況

全国通訳案内士試験では、筆記試験での合格率は約2割となっています。一方、二次の口述試験では受験言語によっては過半数の方が合格するケースも多いため、勝負を握るのは一次の筆記試験といえます。

外国語の記述試験でも、他の語学試験と異なり日本について深く広い理解がなければ難しいかもしれませんが、受験者は元から言語が得意な方が多いので自信も持ちやすい傾向があります。しかし、その他の科目では学習対策を行わなければ不合格になる受験者がほとんどです。

筆記試験合格後は、面接での口述試験です。この合格率は、ここ数年半数の方がパスしています。元から日常会話に困らないレベルの方が受験しており、問題は、語学力よりも内容です。色々な質問に対して、完璧に受け答えできなくて、自分の意見をしっかり相手に表現できることが大切になります。

 

全国通訳案内士の試験のポイント

①   一次試験

外国語による筆記試験はマークシート方式です。語学力とその他の科目は(地理・歴史・一般常識・実務)は、訪日客が関心を持ちそうな分野に集中して出題されます。平均合格率約2割と低いのですが、本年度合格した科目は翌年免除されるので、あらかじめ二年越しで受験計画を立てるのが現実的です。

外国語試験に受かるためにすること

外国語の1次試験の筆記では、大きく3つの傾向があります。それは、読解、翻訳、日本に関する知識です。1次試験での語学試験でも2次面接でも、ほぼ全て日本文化・社会がテーマとなっているので、日本に関する外国語を幅広く読んで知識を蓄え、自ら外国語で語れる練習をしておくことが大切です。NHK-WORLD等のアプリを毎日視聴し、日本についての知識や語学的表現を身に着けていのが効率的です。

その他4科目に受かるためにすること

1次試験の傾向として、その他4科目にもそれぞれに傾向があります。

地理:地図帳と観光地の写真に注意

歴史:土地にまつわる歴史や文化財、外交史に注意

一般常識:観光白書を熟読。インバウンド情報に目を向ける

実務:観光庁研修テキストを熟読

これらはただ読むだけではなく、「なぜこうなるのか」をよく考え、「うまくまとめて発信する」ことを前提に学んでください。通訳案内士の仕事は暗記ではなく、まとめて話すことだからです。

 当道場の授業では各教科毎回テーマについて自分で調べ、日本に関する知識を深め、発表していただきます。また、毎月1,2回行っている「日本のこころ」という講座では、通訳案内士試験合格者も交えて日本の「名作」を読み、和文を英中韓国語に翻訳していきます。

②   二次試験

二次試験試は、試験官2人と個人面接になります。総合的な外国語能力、日本地理、一般常識、通訳案内実務の正確な知識、実践的コミュニケーション能力について判定されます。2次試験の傾向として、大きく3つの傾向があり、プレゼンテーション、通訳、通訳案内の実務に関する質疑応答があります。

プレゼンテーションの対策では、トピックが与えられた後、考える時間は30秒間です。なので、トピック選択後は全てアドリブ展開になります。例えば、「高野山」がトピックの場合、高野山の所在地・概要・歴史、高野山金剛峯寺の見どころ、高野山へのアクセスというように、外国人観光客が「知りたい!」と思うことを順に度述べていく形になります。

予想トピックを立てて原稿を用意する受験者もいますが、その場でトピックを選び、スピーチ構成を瞬時に行い、外国語で発信できる力を磨いていきましょう。

また、通訳対策では、読まれた和文と同等内容を英語説明する力が求められています。和文内容は、プレゼンテーション対策を積んでいる方にはお馴染みなので、キーワード部分をメモし、それに基づいてプレゼン練習を行うことで養われます。

通訳案内の実務では、外国人からのリクエストや相談に対して、適切な応答をすることが求められます。例えば、初めてお茶席に参加する際、お客様が不安を抱いている状況の時、どう声かけするか大事ですよね。お客様の不安を取り除くことが最優先であり、お客様に寄り添う気持ちで対処することが大切です。

毎月1,2回行っている「日本のこころ」という講座では、通訳案内士試験合格者も交えて日本の「名作」を読み、和文を英中韓国語に翻訳していきますが、その形式もアドリブでスピーチや通訳をやっていただいています。

 

まとめ

全国通訳案内士試験の難易度と勉強法についてお届けしてきましたが、いかがでしたか?コロナ終息後は訪日客が激増することが目に見えている中で、通訳案内士の必要性はさらに高まるでしょう。

そこで実力を伴った全国通訳案内士に合格するためにも、効率よく勉強したいところです。ただし「効率よく」とは暗記ではありません。通訳案内士の業務の原則である「情報をうまくまとめて発信する」こと、その基礎力を培うのがこの試験の対策なのです。

③全国通訳案内士の気になる能力と収入

通訳案内士ってどんな仕事?必要な能力や年収は?

外国人旅行者が日本を訪れた際、各方面の見識と優れた語学力でガイドするのが通訳案内士です。コロナ禍までのインバウンド数は目覚ましく、注目度が高まりつつある職業でした。そしてコロナ終息と同時に必ず復活する通訳案内士の仕事に関する基礎知識についてお届けします。

 

通訳案内士とは

通訳案内士は、外国人観光客に対して外国語でガイドを行う仕事で、日本の文化、伝統、生活習慣などを外国人へ紹介し、日本と海外の国際交流の役目を担っています。そこ日本の伝統・地理・文化・政治・経済・歴史など幅広い知識を持って、話題も豊富であることが通訳案内士には求められます。また、サービス業要素が強いので、おもてなし心、ユーモア、心配りも必要です。繁忙期は従来観光シーズンである春と秋でしたが、言語によっては一年中多忙の場合もあります。

なお、訪日客がネイティブレベルで話す言語の第三位は英語で全体の一割強、二位は韓国語で全体の二割、一位は半数を占める中国語です。

 

仕事内容

添乗業務

添乗業務というのは、ツアー参加者が安全で快適に旅行できるよう、交通機関、訪問先、ホテルなどの調整や対応を行うことです。訪日ツアーでは添乗員は付かないことも多いので、通訳案内士には、予定に沿った旅程管理する添乗業務スキルも求められます。

旅行会社からは事前訪問する観光地や施設などの記載がある旅程表を渡されますが、旅程表には、滞在時間や移動時間まで記載はないケースが多いので、打合せで確認を取ったり、通訳案内士が計画を立てたりすることもあります。添乗業務に関しては、詳細が記載された書籍も数多く出版されています。

通訳業務

通訳案内士は、通訳プロパーではありません。しかし、時には通訳業務を伴う場面、または通訳業務中心の業務も出てきます。たとえば、観光で造り酒屋を見学する場合、現地担当者は日本語で説明しますが、通訳案内士はその説明を外国人が理解できる言葉に通訳します。一般通訳のようにそのまま訳すのでなく、外国人目線で興味を喚起する通訳がポイントです。

また、企業の視察旅行で、工場や施設の説明を頼まれることあります。しかし、ビジネス通訳専門のトレーニングを受けた方でない限り対応は難しいです。経験が少なく専門性の高い内容仕事を依頼された場合は、「事前に資料をもらえるか」「当日までに十分な予習ができるか」これらを踏まえて引き受けるかの判断をしましょう。

企画業務

企画業務というのは、お客様の要望に応えたツアー企画を立てる、スケジュール変更した際の旅程の組み替えなど、企画力や臨機応変に対応していく業務です。予算や時間が限られた中で、少しでも日本食を楽しんでもらえるお店を手配することが求められます。

また、ツアーで行く予定の観光地が、災害や急な工事などで閉鎖されているケースもあります。この場合、訪日客や旅行会社と相談をして代替案を考えますが、担当者が現地事情に詳しくない場合、現場の通訳案内士が訪問地を変更したり、旅程を組み替えたりすることがあります。他にも、ツアー中に不測の事態に遭遇した際にも、焦らず柔軟に対応し、心から喜んでもらえる旅行を企画します。

 

通訳案内士の収入

全国通訳案内士の収入は、言語や勤務形態、営業努力などによっても変わります。主にフリーランスとして、クライアントである旅行会社や派遣会社等から依頼を受けて仕事をするため、収入には波がある職業でもありますが、平均すると、1日(8~9時間)のガイドで、日当約20000円~30000円が相場です。逆に20,000円以下で仕事を引き受けた場合、その会社からはそれ以上の報酬を得るのが難しくなるだけでなく、業界の相場を下げる恐れもあるので要注意です。

さらに数週間の長期ツアーの仕事が入れば、まとまった金額をある程度稼ぐことができます。しかし、必ずしも沢山の案件が入るとは限らないことも覚えておきましょう。他にも、食事手当や時間外手当が付くかもエージェントで違います。

斡旋業務の収入もある

全国通訳案内士の仕事では、純粋なガイドはもちろん、空港やホテルへの送迎、宿泊先の手配など、斡旋業が入る場合もあります。エージェント側が、この仕事を全国通訳案内士へ依頼すること頼むこともあります。斡旋業務の収入に関しては、仕事内容にもよりますが、1日約数千円~20000円の間が相場となっています。

仕事量で年収は大きく変動する

全国通訳案内士の報酬は、「自給換算」では悪くありませんが、シーズンにより仕事量に変化が出てきます。また、通訳案内士としての経験が少ないうちは、仕事依頼されることも少なく、ベテラン通訳案内士へ仕事が集中する傾向があることも覚えておきましょう。一定した収入を通訳案内士で得ることは中々難しいのも現状で、2014年の観光庁の統計では、年収400万円以上(就業日数年間130日以上)の通訳案内士は5%あまりですが、これは兼業で通訳案内士として活躍している方が多いためです。

その背景にあるのは、いきなり今旅行会社から電話がかかってきて、「明日ツアーするはずのガイドさんができなくなったので、明日から1週間九州ツアー頼めますか?」と言われた場合、即答できない方が多い、というような理由が挙げられます。ただ逆に言えば独身の方や家族の理解がある方は1年の半分以上ツアーに出られ、「年収1000万プレイヤー」も夢ではないともいえます。

 

通訳案内士のキャリアアップとは?

まず1つ目に、ベテラン通訳案内士になることです。現状の観光ツアーの相場の上限を30000円とすると、単純計算で毎日仕事を受注して1年間続ければ年収1000万円超えになるとはいえ、実際には、毎日仕事を受注するのは困難です。

ですが、ベテランになれば、一般観光客の通訳案内に限らず、国際会議、ビジネス視察、世界規模イベントなど、大きな仕事を受注することも可能になります。こうした大きな仕事では、日当は50000円以上に値上がりすることが見込めるので、トップガイドを目指せば、年収1000万円を超えることも可能となってきます。また、チップやマージンも見込め、そちらのほうがガイドフィーより多いベテランもいるほどです。

そして2つ目に、通訳案内士の資格で生活していくには個人事業主または株式会社として独立し、翻訳や通訳、語学教育、観光による地域振興等、通訳案内士業務にこだわらずあらゆる業務を請け負うことも考えることです。

 

通訳案内士として活躍するための能力とは?

まずは、語学力は特技ではなく前提です。外国人のお客様の話の内容をしっかり理解できることは、通訳案内士にとってなにより大事なことです。英語でいうならTOEICスコア900点で1次試験の語学が免除になりますが、それにとどまらず今後のスキルアップのためにもしっかり理解する力を養いましょう。

次に、気持ちを理解して求めていることを提供できるコミュニケーション能力も人と接する通訳案内士には特に必要です。優秀な通訳案内士は、相手が興味を自分の沢山の引き出しから探り、楽しく会話ができます。同じことを説明する場合にも、楽しく説明できる人とそうでない人がいます。話の切り口、話し方、笑顔、話すスピードやトーン、ジョークなどバランスが必要ですよね。これは、優秀な通訳案内士の話し方を学んで、自分で研鑽していくことが大切です。

さらに、文化・歴史・地理・観光知識も通訳案内士には求められます。あることを説明するためには、その数倍のことを知っていて初めて楽しく説明することができるものです。ガイドする対象に興味を持ち、常に勉強し続ける姿勢が大事になります。

当道場では合格後も毎月「日本のこころ」という、古典作品から昭和の名著、日本学の名著などに関する紀行文を英訳し、与えられたテーマに関してスピーチしたり、その場で即興通訳したりする講座があり、合格前後の方々にご活用いただいています。

 

まとめ

ここでは、通訳案内士の仕事に関する基礎知識についてお届けしてきましたが、いかがでしたか?必ずしも、安定した年収が見込めない通訳案内士ではありますが、仕事の仕方によっては、一生の仕事にすることも可能です。また、色々大変なこともありますが、他の仕事では味わえないやりがいもあります。特にポストコロナにおいて必ず需要増加が見込まれる通訳案内士ですので、興味のある方は、是非、一度検討してみて下さい。

④全国通訳案内士試験オンライン講座はメリットだらけ!

通訳案内士試験オンライン講座はメリットいっぱい!

全国通訳案内士になるには、国家試験である全国通訳案内士試験に合格し、都道府県に登録する必要があります。合格するには、語学力のほか、日本の歴史などの知識も必要です。ここでは、通訳案内士の試験に向けてオンライン講座を活用する良さをお届けします。効率よく勉強して、晴れて合格を目指しましょう。

 

外出自粛で広がるオンライン講座!

新型コロナウイルスが世界中に猛威を奮い、その影響はそれまでの社会の在り方を一変させる程の脅威となりました。緊急事態宣言が出て、外出自粛要請や不要不急の外出禁止になったことで、通学や通勤を制限する所が多く出ている世の中です。その結果、経済や教育は大きく停滞する状況もなったことで、それに向けた対応策を講じる必要を今も求められているのが現状です。

そうした背景の中で、このような状況下でも活動できるオンライン授業に大きな注目が集まっています。既に導入している学校、塾、スクールもありましたが、ここに来てオンライン導入による自宅学習に注目が集まることになったのです。ちなみに当道場は2007年よりオンライン授業をしてまいりました。

 

オンライン講座の種類とは?

同期型オンライン講座

同時型オンライン講座というのは、Web会議システムを用いたもので、zoomやSkypeなど、画面上に講師、生徒を映して、画像と音声によるコミュニケーションを行いながら講座を受けるシステムです。通常講座で行う形に近いシステムといえましょう。

この形式の講座では、リアルタイムの意見交換ができたり、様子確認しながら講座を進められたりするので、自宅にいながらリアルタイムで討論や意見交換もできます。場合によっては画像や動画のURLを張り付けて、その場で確認することもできます。

当道場の場合、zoomを利用して、地理や歴史、一般常識の授業はみなテーマに沿って自分の意見を発表する「ゼミ」のような場を中心にすえております。もちろんその場で質疑応答していただけます。

さらにこのシステムを利用し、各都道府県出身者が地元の地理、歴史、一般常識、インバウンド情報などを発表して皆さんとシェアしあう「ジモティに聞け!」という無料のオンラインサロンも開いております。

 

オンデマンド型講座

オンデマンド型講座というのは、インターネット上に動画や音声、資料、写真などの教材を設置して、生徒に課題を配布し、教材を見ながら学ぶ講座です。講座映像が配信されているので、自分のタイミングで講座を再生して受講が可能です。これによって、学生をはじめ社会人、主婦でも、通勤中、家事育児をしながら、ぼーっとしながらなど、すきま時間のあるときでも講座を受講できるのは魅力的ですよね。

また、決まった資料を受け取って講座を受けるので、生徒側は、タブレットやスマホなど、普段から画像や映像を見る環境が整っていれば受講できます。オンライン講座の受講環境を整える上でも、負担が少ない点もポイントです。

当道場の場合、地理、歴史、一般常識に関して、毎週決まった動画を配信することで、発信型中心の授業では漏れがちな重要事項をあますことなく学ぶことになっています。また、各授業に出席できなかった場合はそれを録音して期限付きで視聴できるようにしております。

 

オンライン受講する側の準備とは?

オンライン講座を受講する場合、まず、オンラインである以上wi-fiなどネット接続環境は必須です。スマホでも参加可能ですが、画面は10インチ以上が望ましいです。それ以下では、画面が小さく細かい字が見づらい場合もあります。

なお、当道場ではすべてzoomで授業をしておりますので、アプリ等をインストールしてください。

 

通訳案内士向けオンライン講座を受講するメリット!

独学では通訳案内士試験は難しい

通訳案内士になるためには、全国通訳案内士の国家試験を受け、国家資格取得が必要です。特に、受験資格は無いので、年齢・性別・学歴・国籍に関係なく、誰でも受験可能です。一見、ハードルが低いように思っている方もいるかも知れませんが、語学力はもちろん、日本の地理・歴史・文化・産業など、通訳案内実務に関する深い知識を求められる難易度の高い試験なのです。

しっかり対策してくれるオンライン講座は心強い

全国通訳案内士対策講座は全国各地にありますが、各学校やスクールによってカリキュラムは違います。また、通学日数、講義時間帯、学費など違います。またオンライン講座では、DVDやインターネット使った通信学習ができるコースを置いています。

通訳案内士の試験は1次試験(筆記)と2次試験(口述)があり、学校によって2次試験対策のみを設けている所もあります。

これらのスクールの1次の筆記試験対策では、外国語はもちろん、日本地理、歴史、一般常識、実務についての講義が主です。さらに、2次の口述試験対策では、外国語のプレゼンテーション練習、外国語のコミュニケーションなどの講義が中心です。

しかしそれでは講義内容を単に暗記しただけで、日本の文化や社会のなんたるかもわからないまま合格してしまう恐れがあります。「合格すればいい」という考えもありますが、思考力も知的探求も意見をまとめる力も発表の仕方も身に着けない「単なる資格ホルダー」になってしまってはもったいないほど、この資格を取得するための勉強は魅力的なのです。

このように、色々と対策を練って、知識や実践力を高めていけるのは、独学では難しいものがあります。オンライン講座で、通訳案内士試験を熟知したプロから学ぶことで、効率よく効果的な学習に繋がります。

当道場では日本でおそらく唯一、講師が講義をする形式を極力減らし、テーマに即した内容を受講者が発表し、講師はそれを講評とするオンラインの「ゼミ形式」で行っています。そこにあるのは、通訳案内士の基本業務「よく考え、情報をまとめ、発信する」ことに忠実であることが、長い目で見て業務上大切なことだという確信があるからです。

 

まとめ

ここでは、通訳案内士の試験に向けてオンライン講座を活用する良さをお届けしてきましたが、いかがでしたか?通訳案内士を目指すには、通訳案内士の資格取得のために、難関の国家試験に合格しなければなりません。オンライン講座を利用するメリットには、どこにいても、他のことをしながらでも視聴できたり、講師や他の仲間たちとつながれたりするということです。そこで出会った人と仕事をするようになることもよくあることです。

また、業界や企業と提携して通訳案内士育成に取り組んでいる学校も多いので、実習カリキュラムや就職支援も充実しています。こうした総合的サポートを受けられるので、通訳案内士を目指す方にとっては心強い味方となってくれるでしょう。

最後に、通訳案内士という資格に興味を持った方のうち、他の受験者や合格者たちとつながりたいという方、または受験準備をすでに始めているけれど、地理や歴史、一般常識など、ただ暗記するだけで味気ない方は、無料オンラインサロン「ジモティに聞け」のご視聴をお勧めします。通訳案内士の視点から見た日本がどのようなものか、楽しく学べることでしょう。それでは学習者の皆様のご健闘を祈ります。